おそらく、本誌上でもたっぷりと語られているであろう2012シーズン、J1リーグ開幕戦のサンフレッチェ広島対浦和レッズ戦について、お話しさせてください。
サンフレッチェを取材している者にとっては、どうしても、柏木陽介選手と槙野智章選手が相手チームにいることを意識してしまいます。ペトロビッチ監督も同様です。つい先日まで、吉田サッカー公園で取材していた人たちが、相手チームにいるというのは、何とも不思議な感じがしました。
「ペトロビッチ監督が作り上げたサッカーは、ペトロビッチ監督のチームと戦うとどうなるのか?」。何とも哲学的な問題を解いているようでした。
結果は、ご存じの通り、戦術の「成熟度」が圧倒的に違い、サンフレッチェが試合を支配することができました。千葉和彦選手、石原直樹選手の新加入2選手は、少しミスをするような場面はありましたが、チームの向かうべき方向をしっかり理解し体現していました。もちろん、佐藤寿人選手のゴールは、「これぞエース!」というべき、獲るべくして獲った得点でした。
浦和レッズのボランチとして起用された柏木選手は、相変わらず豊富な運動量で、しっかりボールを追いかけ、トップギアに入ったときの動きはさすがでした。槙野選手も、ここぞというときの攻撃の手ごわさがあり、広島を離れ1年間ドイツで鍛えられただけあり、体つきがひと回りもふた回りも大きくなったように感じました。
そして、レッズイレブンの中でペトロビッチ監督が目指すサッカーの方向を向いているのが両選手でした。サンフレッチェもそうだったように、浦和レッズがペトロビッチ監督のサッカーを具現化するまでにはまだまだ時間がかかるでしょう。
一方で、「ペトロビッチ監督が5年半をかけて作り上げたサンフレッチェのサッカーが、『ペトロビッチ監督のサッカー』ではなく『広島のサッカー』となるように」と森保監督が監督就任会見のときに話していましたが、まさに、そのときが来たのではないでしょうか?
今季は、相当楽しみなシーズンになりそうです。この度の開幕戦と同じように、これからもビッグアーチを紫に染めましょう!!

磯貝 修也 (いそがい のぶや)
広島アスリートマガジン編集部スタッフが、取材の裏話や日々思うことをコメントや写真で綴ります。
広島東洋カープ、サンフレッチェ広島の記者によるWEBサイト限定コラムです。
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